言いたいことを言ってどんどん関係を良くする3つのコツ

こんにちは、心理カウンセラーの東条直子です。

家族、パートナー、友人、職場の同僚、上司にいたいことがあるのに我慢してませんか?

私のカウンセリングルームに相談に来られる方の9割が、対人関係で言いたいことを言えずに我慢しています。その9割の方の中には、以前は言っていたんだけど言わなくなった、もともと人に気を遣いすぎて自分の意見を言えない、などいろんな方がいらっしゃいます。

心理学者のアドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っているように、悩んでいる方のほとんどは、人間関係の問題を抱えています。

自分の思いが伝わらない、何度言ってもわかってくれない、気持ちを汲み取ってくれない、言いたいことがあるけど傷つけてしまうのが怖くて言えない、言ったら怒られる、などコミュニケーションは非常に難しいものです。

特に、愛着障害やアダルトチルドレンで悩む方にとっては、自分の気持ちや考えを適切に表現することは特に難しいと感じられるかもしれません。だから、自分の気持ちは言わないでトラブルを回避しようとします。

でも、それは、適切なコミュニケーションの仕方を知らないからなんです。伝え方を工夫すると、批判ではなく、お願い、助けてというメッセージになり、上手に甘えられるようになり、どんどん相手との関係もいい方向に変わっていくんです。

伝え方のコツを知って、自分のコミュニケーションの仕方を見直してみてください。

①Iメッセージ

Iメッセージって知ってますか?

Iメッセージというのは、自分の感情や考えを「I(私)」を主語にして伝える方法です。
その反対にYouメッセージというのがあります。Youメッセージは主語が「You(あなた)」です。

対人関係でトラブルになっているときは、だいたいがYouメッセージになっています。

「〇〇してって言ったのに、なんで(あなたは)してくれないの」
「あなたはいつも私の話を聞こうとしないのね」

Youメッセージのときは、相手を問い詰めたり、追い詰めたりしています。

そんなことされたら、相手は聞きたくなくなります。
そして、言われた方はますます反発したり、話し合い自体を避けようとしてしまいますし、批判している側にしたら言いたいことも伝わらないし、関係も悪くなるし…完全に悪循環です。

破壊的なコミュニケーションと言えますね。

これに対して、Iメッセージは、相手に、自分が非難されていると感じさせないコミュニケーションです。

例えば、「〇〇してくれなくて、私は悲しい」、「話を聞いてくれないと思うと、(私は)自分が大事にされていないように感じてつらい」「〇〇してくれると、(私は)嬉しいな」と自分の気持ちを伝えます。

そうすると、相手は自分が非難されていると感じにくくなり、問題解決に向けた前向きな話し合いがしやすくなります。

でも、ここで1点注意すべきなのは、Iメッセージで伝えたら100%相手に伝わる、とは言えないことです。自分の気持ちを素直に伝えても、相手は聞いてくれないかもしれません。関係が悪化している場合は、1度や2度コミュニケーションの仕方を変えたからといって、すぐには反応してくれません。

ここで大事なのは、Iメッセージによって相手を変えるのではなく、関係性が変わるきっかけになるかもしれない、どう反応するかは相手次第だということです。でもYouメッセージは相手との関係を壊しますが、Iメッセージは100%プラスの影響を与えるとはいえないものの、マイナスの影響を与えることはないので、関係は悪くはなりません。

②アクショントーク

アクショントークとは、具体的な行動や改善点を明確に伝える方法です。

うまくいかないコミュニケーションでは、「ちゃんとしてよ!(怒)」、「考えたらわかることがなんでできないの(怒)」、「もっと真剣に考えてよ(怒)」というような伝え方をしています。

腹が立つとこんな言い方してしまいますね。

でも、この「ちゃんと」「考えたらわかる」「真剣に」ってすごく抽象的です。そして、「自分なりにちゃんと考えていたのに怒られた」という場合もあるように、「ちゃんと」「真剣」のレベルは人によって違います。

問題を抽象的に批判されると困惑し、どう改善すれば良いのかわからなくなります。

アクショントークは、「もっとちゃんとして!」というのを、何をどう改善すれば良いのか明確に伝える方法になります。具体的な行動を提案します。

たとえば、「遅刻するな!もっと早く来い」ではなく、「5分前に着くようにしてください」。
「ちゃんと家事をしておいて」ではなく、「お皿洗いと部屋の掃除機をかけておいて。お願い」と伝えるなど、具体的な提案をしたり、禁止ではなくどうしてほしいのかを伝えるようにします。

このように具体的に伝えることで、相手は何をすれば良いのかが明確になり、実行に移しやすくなります。

さらに、このときに、なんでそうしてほしいのか、そうしてもらう必要があるのかを話し合うと相手も納得して受け入れてくれるかもしれません。

そして、アクショントークでもIメッセージと同様に、それに対してどう反応するかは相手次第なので、相手を思い通りにさせるために使わないでくださいね。あくまでも、破壊的なコミュニケーションではなく、前向きなコミュニケーションに変えることで関係性が変わるかもしれないと思っておくことが大事です。

③気持ちと言葉を一致させる

Iメッセージアクショントーク
この2つを実行したのに、何も変わりません!という方がいます。
何も変わらないから、効果がないと判断して元の破壊的なコミュニケーションに戻ってしまいます。

そこで、3つ目のコツが「気持ちと言葉を一致させる」というもの。
下の例を見てください。

ケース①共働き夫婦、奥さんからご主人さんへのお願い。
「仕事で忙しくて休みの日はゆっくりしたいあなたの気持ちはわかるんだけど、私も仕事をしていて余裕がないことがあるの。週に1回だけでいいから夕食後のお皿洗いをしてくれたら、すごく助かるんだけど」

ケース②友人から飲み会の幹事を一方的に頼まれたとき。
「みんなの役に立ちたい気持ちはあるんだけど、慣れてなくて、どうしたらいいのかわからなくてできるか自信がないの。もし一緒にやってくれる人がいたら助かるし、困ったときに相談にのってくれる人がいたりするとできそうなんだけど、どうかな」

上記2つのケースでは、Iメッセージとアクショントークの両方が入っています。①では、相手の気持ちを尊重しながら自分の現状を伝えて、要望を伝えています。②では、やりたくないわけではないけど自信がないという自分の葛藤を伝えて、どうしたらできるのかという具体的な提案をしています。

なんだか完璧なコミュニケーションですね。
でもこれがうまく伝わらない!ということも起こります。相手に聞く気がないという相手の姿勢の問題も考えられますが、他には、その言葉の裏に怒りを抱えているといったことも考えられます。

言葉は丁寧で完璧なんだけど、口調が荒い、表情が怖い、怒っているけど見せないようにして表面的には穏やかにしている場合ですね。

言葉と気持ちが一致していないと、相手は混乱して、表面的な言葉ではなく非言語的なコミュニケーションの方に引っ張られます。そして、あなたの言葉に対する信頼感が薄れてしまうかもしれません。

本当は怒っているのに「別に怒っていないよ」と言うと、相手はあなたの本当の感情を読み取れず、困惑しますよね。

そういう場合は、ごまかすよりも、「うん。少し怒っている。〇〇だから」と冷静に理由を伝えましょう。

このように自分の感情を正直に伝えることで、相手もその感情を理解しやすくなり、誤解が生じにくくなります。

まとめ

言いたいことを言ってどんどん関係を良くするコツについてお伝えしました。

気持ちと言葉を一致させて、Iメッセージとアクショントークを意識していくと、相手に伝わりやすくなり、お互いの思っていることを理解しやすくなるので、関係はどんどん良くなります。

嬉しいことを伝えて共有すると関係が良くなるのは当然。でもそれではいい時は良いし、悪い時は関係が悪化してしまう不安定な関係です。

不満も伝えられるようになると、お互いのいい面も悪い面も受け入れられるようになり、より深く、安定した関係になっていきます。すると、もっとコミュニケーションをとりたくなっていきますよ。

ここでお伝えした3つのコツを意識して、自分のコミュニケーションの仕方を見直してみてください。カウンセリングでこの内容を伝えると、クライアントさんは「なるほど!いいこと聞きました!」と納得されるのですが、いざ日常生活で実践しようとすると、みなさんつまずきます。

思考、行動のすべては習慣なので、新たに気づきがあっても、意識しつづけないと定着しません。新たな思考、行動が習慣化されるまでは、元に戻ろうとする力が働くからです。

だから定着するまではカウンセラーや専門家と一緒にすることが大事になります。人との関係性を変えたいと思われる方は、ご相談ください。

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