こんにちは、心理カウンセラーの東条直子です。
無力感とは、「自分にはどうすることもできない」「自分には価値がない」と思い込み、将来に希望がもてない状態です。自己肯定感、自己効力感の低さとも関係します。
無力感を感じてしまうと、何をしてもうまくいかないため、何もしたくない、気力がわかないという状態になっていきます。
そして、仕事をしたり、人とコミュニケーションをとったりすることも億劫になり、うつ状態となってしまいます!
そうなっては困りますね。
何もしたくないというエネルギーが低下した状態になってからでも回復することはできます。
でも、できれば、早い段階で無力感から抜け出して、うつ状態を予防できるといいですね。
では、どうしたら無力感から抜け出すことができるのでしょうか。
「自分には価値がない」という思い込みに気づく
無力感から抜け出すには、まずは
「自分にはどうすることもできない」「自分には価値がない」という思い込みに気づくことです。
職場で同僚や上司からバカにされたり、パワハラを受けたり、努力をしても成果がでないとき、「自分はできない」「ダメな人間」と思ってしまうことは誰にでもあります。
ある程度健康な人は、職場とは関係のない友人、知人、家族に話すことで気持ちを落ち着かせたり、ストレスとなっている場所から離れたり、仕事を辞めたりすると、気持ちは安定します。
比較的健康な人は、特定の場所、特定の人からバカにされても、「ほどほどにできる自分」という自己イメージももっているので、回復は早いです。
それに対して、根底にアダルトチルドレンの要素がある人には、元々親から植え付けられた「自分はできない」「ダメな人間」という自己イメージをもっています。
その上に、学校や職場で失敗体験を積み重ねて、さらに「できない自分」という自己イメージを強くしていくので、ストレスとなっている場所から離れただけでは、元々の否定的な自己イメージはなかなか回復しません。
でも、そんな親から植え付けられた否定的な自己イメージ自体が思い込みであるので、まずは思い込みであることに気づくことが、無力感から抜け出す第一歩となります。
学習性無力感
セリグマンという心理学者は、動物の実験から「学習性無力感」という概念を提唱しました。
実験では、箱に入れた犬に周期的に電気ショックを与えました。
①の箱は、電気ショックをとめるスイッチがあり、自分で止められる
②の箱は、電気ショックをとめるスイッチがなく、止まるのを待つだけ
その後に、別の箱に移したところ、①の箱にいた犬は電流を回避する方法をすぐにみつけました。ところが、②の箱にいた犬は、電流を自分で止められる状況にあるにも関わらず、ただひたすら電気ショックに耐えていたというものです。
この実験からわかったことは、不快な刺激から逃げようとしても、逃げることができない状況が続くと、「何をしてもムダだ」と思うようになり、逃げること自体をあきらめるというものです。
虐待、暴力、暴言、いじめ、パワハラなど自分の価値が踏みにじられるような経験をすることで、無力感にいたるとされています。
アダルトチルドレンの家庭で育った場合は、この学習された無力感があります。
「自分の人生は変えられない」
心に問題を抱えた親は、力で子どもを支配しようとします。
あるいは、子どもが助けを求めても無視したり、お前が悪いといったり、子どものSOSに無関心な家庭で育った場合、子どもは、
「助けを求めても無駄」
「自分の人生は変えられない」
という考えをもってしまいます。そういう家庭で育った子どもは、現状を変えるという発想にすらなりません。
これが学習された無力感なのです。
そうなると「自分の人生は変えられない」という思い込みにあった情報だけを集めていくようになるので、どんどんその思い込みが強くなってしまいます。
でも、ここで、自分の無力感が学習された無力感だということに気づくことができれば、視野が広がり、今の状態から抜け出そうという気持ちが少しでも出てくる可能性があるでしょう。
まとめ
無力感から抜け出す方法について、
自分には価値がないという否定的な自己イメージが思い込みであることに気づくことが大事だとお伝えしました。
まずは気づくことが変化へ向けた第一歩となります。
一人では難しい場合は、ご相談ください。
相談することで、気づきが多くなりますよ。
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不安なこと、気になることなどございましたら、まずはお気軽にご相談ください。