こんにちは、心理カウンセラーの東条直子です。
人との関係や物事への取り組み方で、気づいたら同じパターンを繰り返していることはありませんか?
たとえば、いつも他人に振り回されてしまう、ついつい頑張りすぎて疲弊してしまう、新たなことを始めようとすると「自分にはできない」とあきらめるなど。
そんなとき、
「あの人と関わらなければこんなにしんどい思いをしなくてすんだのに…」
「誰もやってくれないから私がやってるのに誰もみとめてくれない…」
「もう少し簡単なことだったらできるのに…」
と言ったりしていませんか。
でもそれって本当に相手の問題でしょうか。
目の前にいる人や取り組むことが変わっても同じパターンを繰り返していませんか。
わたしは、友達との関係はそこそこやっていけるのに、パートナーには怒りをぶつけて関係を壊してしまうことが何度もありました。
「あの人が私を不安にさせるから」
「あの人があんなことをしなかったら私は嫌な気分にならなかったのに」
と思っていました。
でも相手が変わっても同じパターンを繰り返すんです。
「なんで私にはそんなしょうもない男性しかよってこないのか」
「なんで私はこんなに頑張っているのに幸せになれないのか」
こんなふうに思っていたけど、同じパターンを何度も繰り返したことで、相手の問題ではなく、自分の問題だと気づくようになりました。
その根底に未完了の感情が影響していることがわかり、これが「生きづらさ」へとつながる要因となっていたことに気づいたのです。
うまくいかないとき、多くの人が自分ではなく他人や環境のせいにします。
それは自然なことです。
でも、そう考えているときは自分の幸せは他人や環境次第になり、完全に受け身になります。
自分の未完了の感情の存在に気づくと、受け身から抜け出し、自分の人生を自分でコントロールしていけるようになります。
未完了の感情がどのように私たちに影響を与えるのか、そしてその感情に気づき、解消することでどのように変わるのかについてお伝えしますね。
未完了の感情とは
「未完了の感情」とは、過去に経験した悲しみや怒り、後悔といった感情が、当時のまま心に残っている状態を指します。
たとえば、幼少期に親からの愛情を十分に感じられなかった場合
「自分は誰からも愛されない」
「もっと自分をみてほしい」
「頑張らなければ生きている価値がない」
という不安や悲しみが、心の奥底に蓄積されることがあります。
そうすると、現在の生活で他人から愛されようとすることに必死になったり、関心を示してもらうように必死になったりすることがあります。
このように、ある出来事に伴って感じた感情が「処理されず、整理されていない状態」で心に残っている感情が、無意識のうちに現在の生活に影響を及ぼすのです。
また、幼少期に親が関心を示してくれなかったのと同じような状況になると、過去の感情が自動的に蘇り、自責や他責となって強く反応してしまうことがあります。
そのため、感情が過去の状況とリンクしていることに気づかないと、自分がなぜそんな反応をしてしまうのか理解できないまま、同じパターンを繰り返してしまうのです。
未完了の感情が生きづらさをうむ理由
未完了の感情は、私たちの無意識の中に深く根を張り、現在の行動や思考に影響を及ぼします。
たとえば、過去に自分が傷ついた体験があると、「もう傷つきたくない」という防衛本能が働き、相手に心を開くのが怖くなったり、傷つかないように先回りして行動するようになります。
行為の目的は「〇〇したい」ではなく「〇〇ならないように」です。
自分を守ったはずなのに、結果的に周囲との関係がうまく築けなくなることもあります。
さらに、未完了の感情は、物事の捉え方や判断力にも影響を与えます。
たとえば、「あなたは失敗ばかりね」と言われた言葉や体験が強く残っていると、自分には価値がないという思い込みが強くなり、新しいことに挑戦する際にも「どうせ自分なんて無理だ」という諦めの気持ちが先行します。
その結果、やりたいことがあっても、やる前にあきらめてしまい、やりたいことができなくなってしまいます。
未完了の感情に気づくサイン
未完了の感情は無意識に働いているため、普段は自覚しにくいものですが、いくつかの特徴的なサインが現れることがあります。以下のような状態にある場合、未完了の感情が影響している可能性があります。
1.同じようなパターンの問題が繰り返される:たとえば、いつも似たタイプの人とトラブルが起きる、恋愛で同じような不満や葛藤が生まれるなど、状況が変わってもパターンが変わらない
2.特定の状況で強い感情が湧き上がる:怒っている人をみると強い不安に襲われる、協調性のない人をみると強い怒りがでるなど
3.過去の出来事が頭をよぎる:何かの拍子にふと昔の嫌な記憶がよみがえり、感情が揺さぶられる
4.自分を責めたり、価値がないと感じる:自己肯定感が低く、失敗や否定的な出来事に対して必要以上に自分を責める
これらのサインを通じて自分の内面に目を向けると、未完了の感情が影響していることに気づきやすくなります。
未完了の感情を解消すると起こる変化
未完了の感情に向き合い、それを解消していくと心に大きな変化が訪れます。過去の感情を解放し、「今」を生きることができるようになります。変化には、以下のようなものがあります。
1.人間関係の改善:未完了の感情がなくなると、周囲の人々との関係がスムーズになり、相手に対して過剰に反応することが少なくなります。結果として、周りの人を信頼しやすくなり、良好な関係が築けるようになります。
2.自己肯定感の向上:過去の出来事にとらわれずに、自分の価値を冷静に見つめることができるようになるため、自己肯定感が高まり、ポジティブな行動に繋がりやすくなります。
3.新しい挑戦への意欲:過去の失敗や傷ついた経験を引きずらなくなるため、物事に対して積極的に取り組むことができるようになります。
4.柔軟な思考と行動:過去の感情の束縛から解放されると、心が軽くなり、柔軟に物事を捉えられるようになります。そのため、挑戦に対する不安が軽減され、変化や新しい経験を受け入れる準備が整います。
未完了の感情を手放せると、心の奥底から解放された状態で生きることができるようになります。そして、これまで感じていた「生きづらさ」が軽くなり、今までとは異なる新しい自分を発見することができるようになります。
まとめ
生きづらさを感じている、頑張ってもうまくいかない、ネガティブな感情に振り回される、やりたいことがあるのに行動できないという方は、自分の中の未完了の感情を処理すると、生きやすくなるかもしれません。
どうにかしようと思うと難しいような気がしますが、まずは気づくことが大事です。
無意識の中にある未完了の感情を意識化するだけで人生が変わりはじめます。
ひとりでは難しいと感じられる方は、ぜひカウンセリングを考えてみてください。
専門的なサポートを受けることで、生きやすくなりますよ。
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