こんにちは、心理カウンセラーの東条直子です。
今回は、他人軸の「人のために尽くす」と自分軸の「人のために尽くす」の違いについてお伝えします。
「人のために尽くす」というとどんなイメージをもつでしょうか。
自分が損をしたり、利用されながらも、相手に尽くしている人が思い浮かぶでしょうか。
それとも、献身的な奉仕活動に生涯をささげたマザーテレサのような人が思い浮かんだでしょうか。
前者は、他人軸で「人に尽くしている」と言えます。
一方、後者は、自分軸で「人に尽くしている」と言えるでしょう。
その違いについてお伝えしますね。
原動力がネガティブな感情かポジティブな感情か
他人軸か自分軸の、まず大きな違いとして、ネガティブな感情が原動力になっているか、ポジティブな感情が原動力になっているかがあります。
どういうことかというと、「人のために尽くす」という行動が同じでも、他人軸と自分軸の人では、なんのためにしているのかという目的が違うのです。
他人軸の人のために尽くす行動の裏には、
「嫌われたくない、相手が望んでいるから、それをしないと怒られる、よく思われたい、そうしなければいけない気がする」という考えがあります。
一方、自分軸の人の人のために尽くす行動には、
「誰かを助けることで自分が気持ちよくなる、自分が助けられてきたので今度は人の役に立ちたい、〇〇という社会になってほしい」という考えや使命感のようなものがあります。
他人軸の人は「〇〇しないと△△になるから」と恐怖、不安、心配といったネガティブな感情で動いています。不快な未来を避けるための行動です。
それに対して、自分軸の人は、希望、感謝、使命感というポジティブな感情で動いています。明るい未来を得るための行動です。
自分を犠牲にするか大切にするか
次に、他人軸と他人軸の人の「人のために尽くす」という行動には、自分を犠牲にしているか、自分を大切にしているのかの違いがあります。
他人軸の人の「人のために尽くす」行動は、自己犠牲的です。
「しないと嫌われるから…」「相手がしてほしそうだから…」という理由で、自分がしんどくても、相手を優先します。
相手は、そんな他人軸の人の弱みにつけこんで利用しているかもしれません。
あるいは、相手はまったく意図していないのに、他人軸の人が感情を勝手に深読みして動いてしまっているのかもしれません。
そんな時は、相手は尽くしてもらっても、当たり前だと思っていたり、してもらっていても「自分でなんでもしたい人なんだな」ぐらいで、スルーされてしまう場合もあります。
そうなると、他人軸の人は、結局報われずに疲れてしまって、「自分だけが…」という思いを強くします。
それにたいして、自分軸の人は、まず自分を優先させるので、何のためにするのか、自分がしたいか、余裕があるかを見極め、自分ができないと判断した時には誰かの助けを得る、ということをします。
自分を大事にして、自分の気持ちに従います。
見返りを求めるか求めないか
他人軸の人は見返りを求め、自分軸の人は見返りを求めません。
「こんなにしてあげたのに、感謝の言葉もないなんて…」
他人軸の人は人の評価を基準にして行動しているので、見返りを求めます。
思った通りの反応がないと、腹を立てたり、悲しんだり、落ち込んだり、動揺します。
一方、自分軸の人は、自分の基準で動き、自分がしたいから、必要だと思うからしているので結果は求めません。自分の行動を評価するのは自分です。
だから、自分が動いたという事実を評価して、その結果他人から感謝されるか、認められるかは問題にしません。
なので、相手の反応をみて、動揺することはありません。
まとめ
他人軸の「人のために尽くす」と自分軸の「人のために尽くす」の違いについては以下です。
①原動力がネガティブな感情か、ポジティブな感情か
②自分を犠牲にするか、大切にするか
③見返りを求めるか、求めないか
ある一つの行動が他人軸か自分軸かはわかりません。
本質を理解しないで、行動だけをみて判断しようしてもできません。
たとえば、本質を理解できていないと、それまで他人を優先させて他人軸で生きていた人が、自分軸で生きると決心したときに、表面的な行動だけを変えようとして、「人のために尽くすべきではない!」「人にやさしくするべきではない!」という極端な考えになってしまうかもしれません。
そうではなくて、自分軸か他人軸かは、行動の裏の感情、目的によって違うということを知っておくと、根本的なところから変わっていくことができるようになります。
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