こんにちは、心理カウンセラーの東条直子です。
「あなたのためを思って」と親から言われたことはありますか?
「あなたのため」と言われると、なんだかもやもやしながらも、自分のことを心配してくれていると思うと、反論できなくなってしまいます。罪悪感を植え付ける言葉でもあります。
一見、子どもを大事にしているやさしい親のようにもみえますが、
実は、この言葉は「子どものため」ではなく、「親自身のため」の言葉なんです。
では、「あなたのためを思って」という親の言葉には、どんな真意があるのでしょうか。
支配したい欲求がある
ことあるごとに「あなたのためを思って」という親には、子どもを自分の思い通りに支配したいという欲求があります。
「あの子とは遊んではいけない」
「勉強しないと将来みじめな思いをするのは自分よ」
と、「あなたのためを思って」禁止したり、口出ししたりします。
支配的な親は、子どもは親の所有物のように思っています。
健康的な親は、子どもと対等な関係で接します。親自身の意見を伝えることはあっても、子どもをひとりの人間として尊重し、子どもの気持ちや意見にも耳を傾けます。
一方、支配的な親は、子どもの意見を聞かずに、一方的に自分の考えを押し付けます。
世間の子どもへの評価が、自分への評価につながると思っているため、自分の思い通りにしようとしているのです。
精神的に自立できていない親だといえます。
過剰な不安を抱えている
「あなたのためを思って」という親は、過剰な不安を抱えています。
子どもの将来に不安を感じて、先回りして子どもの行動に口をだしてしまいます。
あるいは、自分の現状に満足していないため、自分のようになってしまったら…という過剰な不安から、口出ししてしまうこともあります。
子どもとの間に適切な距離をとれていないといえます。
そして、子どもが失敗して傷ついたり、悲しんだりすると、親自身の傷つきと感じられるため、自分の傷つきに耐えることができず、子どもに失敗させないように、嫌な思いをさせないように先回りしてしまうのです。
自分がすべて正しいと思い込んでいる
「あなたのためを思って」という場合、まったく悪気がなく、100%自分が正しいと思い込んでいる場合もあります。
正解/不正解、良い/悪い、という白黒思考の親は、正解はひとつだと思っています。
だから、子どもが親とは違う考えをもっていたり、親の言うことに反論すると、自分の考えを押し付けたくなります。間違っている人をみると、正したくなるんです。
自分の経験からアドバイスをしていることもあるでしょう。だから、親は本当に子どものことを考えていて、そのアドバイスが間違っているとはいえないかもしれません。
でも、誰でも経験から自分なりの考えをもつようになるもので、そこには正解/不正解なんてないはずなんです。同じ経験をしても、受け止め方、感じ方は人によって違います。
100%自分が正しいと思っている親は、正解はひとつだけだと思っていて、視野が狭いんです。
まとめ
「あなたのためを思って」という親の言葉の真意は次の3つです。
①支配したい欲求がある
②過剰な不安を抱えている
③自分がすべて正しいと思い込んでいる
「あなたのためを思って」という言葉は、自分の行為を正当化する言葉です。
私はこんなにあなたのことを思っているのに、受け取れないとしたら、あなたがおかしい。
「苦労するのは私じゃなくて、あなただから」
「あなたが将来困るから」
何かをしようとしたとき、ブレーキがかかるとしたら、こんな言葉に縛られているのかもしれませんね。親の呪縛から抜け出すには、まずは自分が親の言葉に縛られていることに気づくことです。
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