こんにちは、心理カウンセラーの東条直子です。
「人は生まれ持った運で人生が決まる」
「凡人は平凡な人生で終わる」
「願えば叶うなんて幻想だ」
「人生は自分の力ではどうにもできないことだらけ」
かつての私は、そう信じていました。
「人生は自分次第」「あなたが変われば世界は変わる」
こんな言葉が自己啓発やスピリチュアルな書籍には書いてありますが、冷めた気持ちでみていました。
けれど、あるときからそれが変わったのです。
生活保護家庭で育ちながらも、自分の未来を切り開いた少年。
40代で腫瘍が見つかり、絶望の中で前を向き直した女性。
そして、私の父親が抱えた17億円という巨額の負債。
「運命に従うしかない」と思っていた私は、これらの経験を通じて、
「人生は自分次第でどうにでもなる」 という確信を得ました。
このブログでは、彼らのエピソードと私自身の経験を交えながら、困難を乗り越えるためのシンプルな法則をお伝えします。
それは、誰にでもできる、けれども意外と見過ごされているもの。
奇跡を待つのではなく、自ら奇跡を起こす力を手に入れたい方は、ぜひ読み進めてください。
生活保護家庭で育ち、未来を切り開いた少年Mくん
私が20代の頃にカウンセリングを担当したMくんという少年がいました(※個人が特定されないように一部変更しています)。
当時彼は中学生。
Mくんの家は生活保護をうけており、3人兄弟はみんな父親が違うという境遇でした。
最初はいじめの問題でカウンセリングを受けていましたが、高校生になると兄弟や家族との関係、大学受験の話などがメインになっていきました。
中学の頃から大学進学を考えていましたが、生活保護を受給している家庭は大学進学できないというルールにぶち当たりました。それでも進学を希望し、世帯分離をすることを決めました。
難関大学を目指していたので勉強が必要でしたが、彼が高校3年生のときに、母親と新しい父親との間の子どもが生まれ、16歳差の妹ができました。
勉強しようとしても赤ちゃんの泣き声で集中できず、不登校の妹2人と働けない両親が一日家にいるという状況で、狭い家に6人暮らし。
環境的にも経済的にも課題が山積みでした。塾に行く余裕もなく、勉強に集中できる場所もありませんでした。
それでも彼は諦めず、「どうすれば勉強に専念できるか」を考え続け、さまざまな選択肢を探しました。すると、彼の優れた成績を評価した塾が、無料で入塾をみとめ、さらに無償で自習室を提供してくれました。
これで勉強する環境は整い、無事合格しました。
合格すると、つぎに入学金、授業料の問題がでてきました。
でもこの問題もほどなくして解決し、進学後は勉強とアルバイトを両立させながら生活する目途が立ちました。
さらに彼は同性愛者でアイデンティティの問題も抱えていましたが、LGBTの活動をしていた方との出会いや同級生からのサポートで乗り越えていきました。
ほかにも親の宗教の問題などいろいろな問題を抱えていましたが、「自分が新たな風を吹き込むことで、両親の病気、妹の不登校を改善させたい」といい、実際に少しずつ家の状況が変わっていきました。
不思議な力を感じると同時に、不思議でもなんでもなくMくんの努力と視座の高さの結果でもあり、当然の結果だと思わされた出来事でした。
数か月後には腫瘍がすっかり消えてしまったAさん
もう一つ印象に残っているケースが40代Aさんです。
Aさんはバリバリのキャリアウーマンでしたが、ある日不調を感じて病院を受診すると腫瘍が見つかりました。
医者からは手術するしかないと言われ、3カ月後に手術をするように勧められました。
ところが、本人は少し様子をみたいと医者に伝えました。それから3カ月後再び病院を受診し、検査をしたところ、腫瘍が小さくなっていました。本人以上に医者が驚いていたようです。
再度様子をみることにして、1年経ったときには腫瘍がすっかりときれいに消えていました。これには医者が「こんなことがあるのか!学会で発表させてほしい」と驚いていたようです。
これも奇跡の体験談として本やテレビでよく見聞きするような話ですが、奇跡ではありません。
Aさんが何をしていたのかというと、ただ食生活を改めただけでした。
しかも我慢しないで無理なく続けられる方法で。
腫瘍が見つかるまでは仕事の忙しさのため外食ばかりでした。腫瘍が見つかると、本やインターネット、さらには海外から文献を取り寄せてあらゆる情報を調べました。矛盾する情報もある中で、良いとされている食事法を選んで実践したのです。
でも相変わらず仕事は忙しく、付き合いの外食をなくすことはできないため、外食ではお肉でもなんでもそれまで通り味の濃い、おいしいけれど体にはよくないものを食べていました。
でも、付き合いがない日と朝昼の食事は徹底して自分で作った健康的な食事に変えました。
我慢しないで無理なく続けられることを第一優先にして、現実を変えました。
この出来事を目の当たりにしたときはかなり驚きましたが、これも奇跡ではなく、Aさんの視座の高さと努力の結果だと感じさせられました。
17億の負債を返済し会社を立て直した父親
次は私が20代後半で起こった父親の話。
父は、祖父が創業した会社に30代で入社します。そのころには父の兄がすでに入社していて、兄弟で会社を継ぐという形でした。しばらくして祖父が亡くなり、父の兄が社長、父が専務としてやっていましたが、兄弟で方針があわず父は会社を辞めて、別の会社を立ち上げました。
父が入社したときから30年ほど経った、あるの日のこと。
私と父親が一緒にいたとき、父親の携帯の着信音が鳴りました。
電話の相手は、父親の兄の会社の役員でした。
「社長がしばらく出社してません。電話をかけてもでません」
その役員は、社長がどこかで倒れているのではないかと心配して電話をかけてきていました。
しかし、父親はこのとき、役員とは別の不安を感じてすぐに会社のお金を調べさせました。
すると、17億のお金がなくなっていたのです。
父親の兄である社長が横領し、自ら失踪していました。
役員全員青ざめました。
うちは製造業なので、モノを作れば売れますが、モノを作る部品を仕入れるお金がないとモノを作れません。中小企業で17億の負債を抱えてしまったので、銀行からは倒産するとみなされ、当然ですがどこからも見放されました。
パニックのなか、兄弟である父親に社内からも社外からも厳しい批判が向けられ、怒鳴られることもあったようです。
役員は全員倒産を覚悟していましたが、父親は祖父の会社を倒産させたくないという思いから社長になり会社を立て直すと決めました。
ですが、決めたもののお金がないとどうにもできず、しばらく考え込んでいました。優先順位は「従業員を守る」ということで、M&Aも選択肢に入れていました。
珍しく「お金はあとからついてくる」的なスピリチュアルか自己啓発的な本なんかを読んでいましたが、「書いてあることはわかるけど、やる気と自信はあっても、やっぱり部品を仕入れるお金がないとどうにもならんな…」
「お金があればなんとかできんねんけどな…」とこぼしていました。
しかしその1~2週間後には、M&Aや他の選択肢は排除し、自分が社長として立て直すことを改めて宣言し、そこから意欲的に動き出しました。
すると、いつつぶれてもおかしくない状態にもかかわらず、わずかながら資金調達の道が開けました。製品を売って入ってきたお金はすぐに部品の購入に充て、父親は無給で働いていました。その結果3年で負債を返済することができました。
それから10年以上経ったいまは、会社の信用を取り戻し、銀行が謝罪をしてきたことで取引が再開しています。
「晴れの日に傘を借りよう」と言われるように、融資を受ける必要はなくても、金融機関とつながっておくためにお金を借りるという選択肢をとれるようになっています。
これも近くで見ていた私には奇跡ではないことがわかります。
シンプルな法則
これらの実例には、共通するポイントがあります。
どんな状況でも前を向いてポジティブでいることが成功の秘訣と言われているように思いますが、私が実際にみてきた人たちはそうではありませんでした。
不安や心配などネガティブな感情を抱えていました。
無理やりポジティブな考え方や言葉を使っていたわけでもありません。
でも、ネガティブな感情に巻き込まれてはいませんでした。
不安や困難を抱えながらも 『どうしたいか』を明確にし、行動しつづけていました。
重要なのは以下の3つのステップです:
①ゴールを明確にする:どんな状態になりたいのか、どうなりたいのかをイメージする
②可能性を探る:ゴールに向かうために、今できることや新しい選択肢を探ります。「無理だ」と思う前に、他の道を考え続ける
③質と量を意識して行動する:行動量を増やし、同時に行動の質を上げる
これらは「奇跡」と言われるかもしれませんが、実際には行動の積み重ねが結果を生んでいます。
まとめ
困難を乗り越えるためのシンプルな法則は、「前だけを見てポジティブに進むこと」ではありません。不安を感じても行動をやめないこと。そして、「どうしたいか」を持ちながら、行動の量と質を高めることです。
あなたが直面している困難も、この法則を意識することで乗り越えられる可能性があります。一歩踏み出すためのサポートが必要なら、ぜひカウンセリングを活用してください。あなたの目標や状況に合わせて、一緒に進む道を考えていきましょう。
奇跡を待つのではなく、自ら奇跡を起こす力を手に入れましょう。
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不安なこと、気になることなどございましたら、まずはお気軽にご相談ください。